大判例

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仙台高等裁判所 昭和58年(ネ)204号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【説明】

「控訴人は、「原判決を取消す。(第一次請求として)被控訴人は控訴人に対し金一万二九七〇円を支払え。(第二次請求として)被控訴人は控訴人が納得するよう軍備が憲法違反でないことを証明せよ。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は主文と同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張及び証拠の関係は、次に付加するほかは原判決事実摘示のとおりであるから、ここにこれを引用する。

(控訴人の補充陳述)

軍備では国は護れないと控訴人が裁判の場で公言したのに対し被控訴人は反論しない。反論しないのは反論できないからであり、降参したからである。しかるに原裁判所は降参した者の主張どおりの事実認定をした。当然事実誤認である。事実の誤認をしたのは被控訴人に反論させないからである。学問の世界での弁証法は口頭弁論でも重んぜられなければならない。控訴審においては必ず被控訴人に反論させるように要望する。」

【判旨】

当裁判所も原判決の説示と同じ理由により控訴人の第一次請求は理由がなく、第二次請求は不適法であると判断するので、ここに右記載を引用する。なお、控訴人がいう被控訴人の反論は本件の審判にとつて無用、不必要なものであるから、原審がこれを促さなかつたのも当然の措置である。

よつて本件控訴は理由がないからこれを棄却することと<する。>

(輪湖公寛 小林哲二 斎藤清実)

《参考・第一審判決理由》

一 (第一次的請求について)原告の主張は、要するに自衛隊が違憲であるとの前提に立ち、被告が自衛隊のために軍事費として税金を支出することも、右軍事費を使用することになる税金(昭和五四年度の場合の5.4パーセント)を徴収することも違憲であるから、これを原告から強制的に徴収した本件税務署長の処分は当然無効であり、原告には右相当分の納税義務がなく、被告は、法律上の原因なくして不当に利得したことになるというものである。しかしながら、租税の徴収と国費の支出との関係については、前掲事実中二3(二)に被告が主張するとおりであつて、税務署長の処分が当然無効であるという原告の主張は、独自の見解に立脚するものでそれ自体失当というべきであり、その余の点につき判断するまでもなく第一次請求は理由がない。

二 (第二次的請求について)原告は、被告に対し、原告が納得するように軍備が憲法に違反しないことの証明を求めるというのであるが、かかる請求は、法令の適用によつて解決し得る権利義務に関する当事者間の具体的紛争即ち法律上の争訟といえず、また右のような証明を求めて裁判所に出訴し得ることを認めた法律も存しないから、右請求は不適法のものである。

三 以上の次第であるから原告の被告に対する第一次的請求は理由がないからこれを棄却し、第二次請求は不適法であるからこれを却下<する。>

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